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平成24(行ケ)10242 審決取消請求事件(商標法第3条第1項第3号関連)

>判例・裁判例>商標(登録要件)判例・裁判例>

事件の概要

 X(原告)は、ゴシック体の大きな「生クッキー」の文字と,このうち「生」の文字の上に配されたゴシック体の小さな「レア」の片仮名文字と、からなる商標(以下「本件商標」という。)につき,第30類「生タイプのクッキー」を指定商品として商標登録(以下「本件商標登録」という。)を受けている商標権者である。
 Y(被告)は、本件商標登録について、商標法第3条第1項第3号に該当することを理由として商標登録の無効審判を請求した。
 これに対し、特許庁は,「本件商標登録を無効とする。」との審決をした。
 Xは、これを不服とし、提訴した。

判旨

 本件商標は,ゴシック体の大きな「生クッキー」の文字と,このうち「生」の文字の上に配されたゴシック体の小さな「レア」の片仮名文字からなるものである。
 本件商標の指定商品は「生タイプのクッキー」である。証拠及び弁論の全趣旨によれば,クッキーは,基本的に小麦を主原料とした焼き菓子を指すが,一部に,全く焼かないクッキーも存在することが認められる。また,本件商標の指定商品自体「生タイプの」クッキーであって,商品「クッキー」の中に,生タイプのものとそれ以外のものが存在することが窺える。
 そうすると,本件商標をその指定商品に用いた場合,本件商標中の「生クッキー」の部分が,需要者等に対し,生あるいはこれに類するクッキー,すなわち生タイプのクッキーを意識させることは明らかであるし,本件商標中の「レア」の部分も,大きな「生」の文字の上に小さく読み仮名のように配されていることや,我が国において,食品に用いられた「レア」の文字が,「レアチーズケーキ」やステーキの焼き加減を表す「レア」のように,生あるいはこれに近い状態のものを指すことは公知であることに照らすと,「生」と同義であるとの印象を需要者等に与えるものであるから,本件商標は,全体としてみても,需要者等に対し,「生タイプのクッキー」を意識させるものであって,商品の品質等を普通に用いられる方法で表示する標章のみからなる商標にほかならない。したがって,本件商標が法3条1項3号に該当する商標であるとした審決の判断に誤りはない。
 
注記:下線は、判決文では引かれておりません。

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