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平成24(行ケ)10179 審決取消請求事件

>判例・裁判例>商標(商標法上の商品・役務)判例・裁判例>

事件の概要

 Y(被告)は,左に表された外縁が六角形の図の右に「TRUE WHITE Hi」の文字を配してなる商標(以下、「本件商標」という。)について、指定商品を、商標法施行規則別表第11類の区分に属する「LEDランプ,LEDランプを使用した乗物用又は家庭用の読書灯,LEDランプを使用した自動車内用ブラックライト,LEDランプを使用した自動車用ライト,LEDランプを使用した自転車用照明灯,その他の電球類及び照明用器具等」とした登録商標の商標権者である。
 X(原告)は、特許庁に対し,本件商標は,商標法50条1項の規定により,その指定商品中,「LEDランプ,LEDランプを使用した乗物用又は家庭用の読書灯,LEDランプを使用した自動車内用ブラックライト,LEDランプを使用した自動車用ライト,LEDランプを使用した自転車用照明灯,その他の電球類及び照明用器具」についての登録を取り消すことについて審判を請求した(以下「本件審判」という。)。
 特許庁は,本件審判を審理し、「本件審判の請求は,成り立たない。」との審決(以下「審決」という。)をした。
 Xは、これを不服とし、提訴した。
 なお、Xは、本件使用商品は,表面実装型LEDであるところ、表面実装型LEDは,プリント基板の表面に直接接続する型のLED(Light Emitting Diode)すなわち発光ダイオードであり,発光ダイオードは,「電流を流すと発光する半導体素子の一種」であるから,商品区分上は,国際分類第9類の「電子応用機械器具及びその部品」中の「半導体素子」の範ちゅうに属する商品である。したがって、本件使用商品は,国際分類第11類の「電球類及び照明用器具」の範ちゅうに属さない旨主張している。

判旨

1 本件使用商標の使用について

 本件商標の商標権者であるYが,本件商標と社会通念上同一といえる本件使用商標を表示した使用商品が掲載されたY製品カタログを,本件審判の請求の登録前3年以内に作成し,これを頒布したことは,当事者間に争いがない。また,証拠によっても,本件使用商標が本件使用商品について使用されていることが認められる。

2 本件審判の請求に係る指定商品についての使用該当性

ア:商標登録出願は,商標の使用をする商品又は役務を,商標法施行令で定める商品及び役務の区分に従って指定してしなければならないとされているところ(商標法6条1項,2項),商標法施行令は,同区分を,ニース協定1条に規定する国際分類(以下,単に「国際分類」という。)に従って定めるとともに,各区分に,その属する商品又は役務の内容を理解するための目安となる名称を付し(同令1条,別表),商標法施行規則は,上記各区分に属する商品又は役務を,国際分類に即し,かつ,各区分内において更に細分類をして定めている(商標法施行令1条,商標法施行規則6条,別表)。したがって,商標法施行規則別表において定められた商品又は役務の意義は,商標法施行令別表の区分に付された名称,商標法施行規則別表において当該区分に属するものとされた商品又は役務の内容や性質,国際分類を構成する類別表注釈において示された商品又は役務についての説明などを参酌して解釈するのが相当である(最高裁平成23年12月20日第三小法廷判決・民集65巻9号3568頁参照)。
イ:本件審判の請求に係る指定商品は,商標法施行規則別表(以下「省令別表」という。)第11類1に定める「電球類及び照明用器具」に属するものであるから,上記アに説示したところを踏まえて,省令別表第11類1に定める「電球類及び照明用器具」の意義について検討する。
 省令別表第11類1の「電球類及び照明用器具」には,「アーク灯」,「蛍光灯」,「白熱電球」,「豆電球」等が例示され,他方,第9類16「電子応用機械器具及びその部品」の「(三)半導体素子」には,「トランジスター」,「ダイオード」等が例示されている。
 また,国際分類を構成する類別表注釈において,第11類に「この類には,特に,次の商品を含む:/……電気式湯沸かし;/電気式調理用具」と記載され,第9類に「この類には,特に,次の商品を含まない。/次の電気式機器;/……(d) 暖房用又は液体加熱用,調理用,換気用等の電気式器具(第11類)」と記載されている。
 上記例示及び注釈を参酌すると,省令別表第11類1に定める「電球類及び照明用器具」は,単体で照明用器具としての機能を有する商品をいい,半導体素子(例えば,LEDチップ)のように回路に組み込んで使用される部品は含まないものと解するのが相当である。
ウ:本件使用商品は,LEDチップから放射された光により蛍光体が励起され,白色発光を生ずるものであり,単体で照明器具としての機能を有する商品であるから,これと異なるXの主張は採用することができない。
 以上検討したところによれば,本件使用商品「表面実装LED」は,省令別表第11類1の「電球類及び照明用器具」に該当するものと認められるから,本件使用商品は本件請求に係る指定商品中の「照明用器具」の範ちゅうに含まれるとした審決の認定,判断に誤りはなく,X主張の取消事由は理由がない。

注記:下線は、判決文では引かれておりません。

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